創業明治40年(1907年)。 言問橋のすぐ近く花川戸に店を構えて117年の老舗が5月10日、その歴史に幕をおろしました。
浅草の老舗が無くなることは寂しい限りです。
創業者が栃木県足利から上京し、旧:山之宿(現:花川戸)と呼ばれていた現在の場所で料理店を始めたのが金泉の始まり。
名物の天ぷらなどが評判となり店は大きくなり浅草を代表する店になりました。
創業88年にあたる、平成7年(1995年)には現在の店舗に改装されました。
一階はテーブル席で、丼や定食などで普段使いに
二階には広くて綺麗な座敷もあり、会合や宴会、冠婚葬祭などで利用が出来、人生の節目でお世話になった浅草の方も多いと思います。
また老舗なのに謙虚な姿勢で地元に愛されたお店でもありました。
金泉さんとは以前よりご縁があり、最後にご挨拶に伺いました。
ここは本当に仕事が丁寧で1品1品が美味しく、日本っていいなあと思わされる料理でした。
南蛮漬けの小鉢
茶碗蒸し 蒸し加減が絶妙
お造り 飾り付けも仕事が細かい!
西京焼き 添えてある玉子焼きも絶品
こちらの名物である 天ぷら
浅草には天ぷらの店が多くありますが、ここが一番好きという方も多かったです。
最後は茶蕎麦でサッパリと!
あとこちらのお店のコースター。
江戸時代に広く流通したお金「寛永通宝」をもじった「金泉通宝」というユーモアも持ち合わせていました。
よく「始めることは簡単 終わらせることが難しい」と言われます。
突然ある日終わると多くの人に迷惑を掛けるものです。
最後をしっかりと終わらせて迷惑をかけずにという姿勢に、ずっと真面目な商売をしてきた金泉さんらしさを感じました。
本当に長い間お疲れさまでした。 ありがとうございました。
割烹 金泉(きんせん)
東京都台東区花川戸2-16-1
2020年5月10日 閉店