先日、池波正太郎が生まれ愛した「奥浅草」を巡るツアーが報道関係者向けに先行公開されました。
「ゆるゆる参ろう奥浅草」と題されたこのツアーは、東京都の「地域資源発掘実証プログラム事業」の取り組みで、何度かテストを行った後に、定期化することを視野に入れています。
まずは、浅草にある吾妻橋の「あみ清」さんの屋形船乗り場から始まります。
屋形船に乗れるだけでも貴重な体験ですね。
隅田川から見る景色は斬新で、橋の裏側も見ることが可能です。
しばらくすると、池波正太郎の代表作「鬼平犯科帳」に出演していた「藤巻潤」さんにより池波作品の朗読がありました。
池波正太郎の世界になったところで、ガイドの方々によって隅田川の歴史の説明が始まります。
川から見える景色の背景にある物語を知ることが出来てとても有意義に過ごせます。
途中でUターンして山谷堀公園に近い「桜橋 防災船着場」にて船を降ります。
山谷堀公園では、橋が少なかった頃に重宝されていた「渡し舟」の解説。
ちゃんと「イヤホンガイド」が配布されるので、ガイドさんの解説が外でもしっかり聞こえます。
さらに「平成中村座発祥の地」の碑の説明がありました。
実はこの碑、今は亡き中村勘三郎さんの身長と同じになっているんだとか。 へぇ〜知らなかった!
隅田公園はちょうど梅が綺麗な時期でした、もう少ししたら桜が主役になりますね。
「池波正太郎」生誕の地の碑
そして目の前にある「待乳山聖天(まつちやましょうでん)」へ
こちらは、珍しい大根のお供えがあることで有名ですね。
建物内に入り、このエリアにまつわる浮世絵の鑑賞
先ほどの「渡し舟」もありました
こちらの浮世絵はよ〜く見ると
大根を持っている人も描かれています
住職による詳しい解説も聞くことができます
さらに「金原亭馬生」師匠による落語が。 しかもこの日は、このエリアにゆかりのある「文七元結(ぶんしち もっとい)」
そして「茶番」 実は「こっけいな即興寸劇」をこのように呼ぶのです
そして「かっぽれ」の踊りもおこなわれました
ここからは「パンダバス」が登場! バスに乗り、奥浅草にある「お寺」や「名所」を巡ります
様々な伝説が残る「お化け地蔵」
「土用の丑の日はうなぎ」というキャッチコピーや「エレキテル」などでも知られる「平賀源内」の墓
などなどの名所を効率良く回りました。
そして、奥浅草の名店「浅草一文別館」へ
素敵なコース料理が出てきますが
このお店といえば「ねぎま鍋」が有名。 でも焼き鳥の「ねぎま」では無いんです。
「ネギ」と「まぐろ」の鍋と書いて「葱鮪鍋(ねぎまなべ)」なんです。
銅なべに、ネギや野菜を入れて、最後に刺身で食べたくなるようなマグロを入れて食べます。
その昔、江戸の人たちは、マグロのカマやトロは捨てていたそう。 それはもったいないと始まったのがねぎま鍋。
江戸の気分が美味しく味わえます。
またこのお店は店内の装飾も楽しいんです
雰囲気がある素敵な空間が広がります
お腹を満たした後は「吉原界隈」をバスで回ります。
歴史的に様々なことがあった吉原も「奥浅草」を語る上で外せません。
最後は浅間神社
わずか 1.5Mのミニミニ富士塚で、富士山登頂気分が味わえます
ところで、今回大活躍の「パンダバス」
座席カバーの上に耳が付いていてカワイイんです
さらに、フロントの目にも仕掛けが!
運転手さんにお願いすると、ウインクが出来るんです(笑)
「奥浅草」にある貴重な観光資源を、川と陸路を特徴的な乗り物で体験し、その道のプロフェッショナルの芸や解説で楽しみ、池波正太郎を含めての理解と、この地に対する興味がより強くなる素敵なツアーでした。
今後もテストを繰り返すようですが、ぜひ定例化して多くの方に体験して欲しいと思います。
池波正太郎も「奥浅草」を愛したワケが分かる気がしますよ!