都内最古の寺院である「浅草寺」は、記録に残るだけで18回燃えています。
その境内に残る一番古い建物をご存知でしょうか。
本堂の北西、影向堂(ようごうどう)のエリアにひっそりとある「六角堂」です。
戦争や火災や震災をくぐり抜けた奇跡の建物は、浅草寺最古だけでなく都内最古の木造建造物でもあり、都特定有形文化財に指定されている程です。
1618年(元和4年)の建立と伝わる「六角堂」 なんと今年で399歳ということになり、来年は建立から400年ということになりますね!
建物の基礎部分も六角形。 その下には直径1.5m余りのの井戸のような穴が掘られているそうです。
六角堂内には、日限を定めて祈願すればご利益があると言われている「日限(ひぎり)地蔵尊」が安置されています。
「いついつまでに、◯◯が出来ますように!」という風に願い事をしてみてはいかがでしょうか。
そんな「六角堂」ですが、実は1994年(平成6年)境内整備のため今の場所に移されているんです。
なにせ都内最古の木造建造物ですからその前にあった場所が気になりませんか?
都内最古の歴史がある浅草寺に存在し、関東大震災や戦火でも消失せず残ったということは、古い地図にも記載があるのでは?
調べてみたら、それらしき記録がありました!
「江戸名所図会」江戸後期刊行 には浅草寺本堂の裏にそれっぽい六角形のイラストが!
「観音境内諸堂末社諸見世小屋掛絵図」1798年 には本堂の裏にハッキリ「六角堂」の記載が!
どうやら浅草寺本堂の裏手にあったようで「現在より約22mほど東方に建っていた」という解説看板とも一致します。
現在、浅草寺本堂の裏側、浅草寺病院との間には大きなスペースがあります。
その一角に、このような石碑や仏像がある「本堂裏築山(ほんどううらつきやま)」といわれる場所があります。
先ほどの資料を照らし合わせると、大体この辺りにあったと思われます。
浅草寺の裏手エリアは、観光客の方が見ることは少ないと思いますが、奥深き浅草寺を知る上で重要だったりします。 ぜひ見てみてください。