二天門の近くにある「公孫樹(イチョウ)」は樹齢約800年ともいわれる大木。
浅草寺の御神木であり、春夏秋冬を感じられる素晴らしい木です。
今の時期はこんな感じで葉は付いていない季節ですね。
浅草寺に戦勝祈願に訪れていたなど縁のあった源頼朝が、参拝時に挿した枝から発芽したと伝わります。
でも、この御神木。 表から見ては分からない悲しい記憶が裏に残っているのです。
それは、1945年(昭和20年)3月10日 東京大空襲があり、浅草一帯は火の海になりました。
このイチョウも焼夷弾が直撃。 上部は吹っ飛び、中は焼けて空洞、今でも焼け焦げた跡が無残に残っています。
その影響で1930年に指定されていた天然自然記念物では無くなりましたが、本堂も五重塔も焼失した戦災をくぐり抜け、枯れずに生き続ける神木として、多くの人々に慕われています。
そんな東京大空襲から72年目。 また「御神木の公孫樹(いちょう)」は青々とした葉をつけてくれるでしょう。
でも「それが奇跡の青葉であること」「二度と戦争を起こしてはならないこと」をぜひ思い出して頂けたらと思います。
また、3/9〜3/12にかけて、浅草公会堂ギャラリーで「東京大空襲資料展」が行われます。